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M5 幻華 Distractionof Ω 

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ボーナストラック:μμタンバリン(アレンジ&プログラミング:Team S)


Vo    Nachiko

Dr    :そうる透

Bass   :渡辺建

Bass   :和佐田達彦

G      :田川ヒロアキ

G   :竹内亨規

Key    :河野啓三

Key    :河本慎一

Vi    :武藤祐生

和太鼓 :響道宴


Mix :岡野高史

All Music&lyrics:舘岡奈智子

All Produce&arr.:そうる透

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作品『どろろ』への視点

今日は お天気が悪いですね。
こんな日は体調を崩しやすい
ので是非 皆様
お気をつけ下さいませ。

さて、今日も作業の合間に
ブログを。

すっかり つらつらと半ば
思いつくままに思考の
日記と化している
このブログ。

その日に食べた物の写真と
行動をちょこっと書いて
UPすれば楽なのだろうが
そう出来ないのが性分で
つい長くなってしまう。

自分と向き合うという事や
自己認識という観点、環境
人間という生き物を
考えながら作業をしていたら、
昨晩 手塚治虫の漫画『どろろ』
を思い出していた。

手塚治虫ファンなら誰もが知る
『どろろ』だが
私なりに強烈な物を作品から
受け取った。

それは どこまでいっても
私なりの解釈でしかない
かもしれないが、
壮絶なまでに手塚作品からの
大きなメッセージとして
心に残っている。


漫画『どろろ』は1967年より
『週刊少年サンデー』(小学館)
で連載が始まるが、暗く、陰惨
な内容が読者に受け入れられず、
1968年に打ち切りとなった。

テレビアニメ化に伴い1969年
に『冒険王』(秋田書店)で
掲載誌を替えて連載再開され
一応の完結をみるが、
こちらもストーリーとしては
中途までとなり、きちんと
した完結に至らなかった。

ストーリーは
体の48箇所を魔物に奪われた
百鬼丸が、魔物退治の旅を
続けるというもの。

戦国武将に仕える醍醐景光は、
天下を取るという野望を
叶えるために、生まれて来る
我が子の体を、48匹の魔物に
与えてしまう。

そうして生まれた子どもは、
体の48箇所の部分が足りず、
川に流されてしまう。

時は流れ、戦の世を旅する
少年・百鬼丸。
彼は、魔物に体を奪われた
赤ん坊の、成長した姿だった。

百鬼丸は、体を奪った妖怪を
1匹倒すごとに、失った体の
部分を1箇所取り戻すことが
できる。

百鬼丸は どろろという名の
ドロボウ少年と知り合い、
一緒に旅をするようになる。

しかし、どろろと百鬼丸の
行くところ、妖怪や死霊が、
次々と襲いかかってくる。
(未完)


この物語だけを読むと、
どろろという みなしごの
キャラクターが際立っている。

どんな事があっても くじけない。
自分の前に立ちはだかるものに
悪態をつく口の悪さ。
かわいくて、どこか憎めない。

百鬼丸を追いかけながら、
まとわりつく どろろに
私まで ハラハラさせられる。
時々大きな声で叫ぶ声に
感動させられ、勇気さえもらう。

百鬼丸と正反対なのに
二人の行動は もの悲しい
雰囲気の中で どこかに光を
感じ、殺伐とした世界で
しっかりと生き抜いている。

百鬼丸の影をもつニヒルな
キャラクターと天真爛漫な
どろろのキャラクターが
異彩を放っている。

読んでいくと最初は百鬼丸が
自分の体を取り戻すために
妖怪と戦っているので、
妖怪が敵という図式なのだが
それが徐々に変わってくる。

百鬼丸によって妖怪を倒して
もらい村人達から感謝されて
いたのに、その特異な体質
のため感謝どころか助けた
上に妖怪扱いされる結果に
なっていくのだ。

妖怪を倒すことによって
人間に近づいていく百鬼丸
は、その事に何とも言えない
気分にさせられていく。

容姿の醜い妖怪や魔物は敵
として人間に恐れられて
嫌われるが、権力のために
我が子の体を妖怪に捧げた
のは人間、戦で人を殺すのも
人間、戦を繰り返し生まれる
貧困も人間のせい。

妖怪より人間の言動や心が
一番タチ悪くて醜いもの
なのではないかと思わされる。


2007年1月27日に東宝配給で
妻夫木聡主演で映画化されている。

『どろろ』は色々な人にリメイク
されているが そうそうたる
人達にリメークされている。

漫画のストーリーだけ追えば
それなりの戦国時代の
妖怪退治のエンターテイメント
かもしれない。

しかし…深いのだ。

まず自分の欲のため我が子を
犠牲にして魔物に捧げる親の
存在。

これは言葉を変えれば虐待にも
通じる。

自分さえ良ければ何を犠牲に
しても良いという神経だ。
十分に現代でもある話だ。


一昔前「自分探し」とか
流行った時があった。
自分で自分を探すとか、
自分を見つめ直すというのが
流行った。

その前は「アダルドチルドレン」
何でも「アダルドチルドレン」
と、そのせいにする人で溢れた。


『どろろ』の世界は あまりにも
今の規制では差別的・禁止用語
が多く再現できないだろう。

でも いかに「平凡」とか
「当たり前」が特別に素晴らしい
ことかを描いている。

「普通」ということは なかなか
困難で大変な事・恵まれている
ことだと手塚治虫は知っていた
のだと拝察する。

48という数字が何を示しているか
は、わからないが、
「普通の人間」になるために
百鬼丸は戦わなければならない。

本物の目を手に入れるためにも
命がけで戦う。


私の好きなゲシュタルトの
考えでいくと
百鬼丸はゲシュタルト完成の
ために戦っていると思える。

「旅」というのも百鬼丸には
ずっと付いてまわるのだが、
「旅」を「旅行」と考えれば
それは帰る家があるからこそ、
「旅」に出ることが出来る
のであって帰る家がなければ
ただの放浪でしかない。


私は そんな放浪を美化する
こともなく 鋭い感性をもって
何作も書き綴っているヘッセ
から「永遠の輝ける流浪」
というイメージを受けて
痛く感動したものだが、
家もなく彷徨い歩くことを
放浪とせず、旅とし
自分を「普通の人間」
として取り戻すために
戦いながら先へ先へと
進む百鬼丸は人が見落とし
ている事を指摘している。

ごく簡単に百鬼丸の行動を
自分を取り戻すという観点
から見ても一例だが、
ゲシュタルト療法の
基本原則と並べると
非常に良く理解できる。


・今に生きる。
過去や未来を生きるのではなく、
今を生きる。

・ここに生きる
他の人や他の出来事に意識を
向けるのではなく、目の前の
事に集中する

・想像するのをやめ、現実的に
物事をとらえる。

・必要ない事を考えるより、今を
感じることを選ぶ

・判断するより、今を表現する

・不愉快さや苦痛も、快楽と
同じように受け入れる

・自分以外の人から発せられる
「やるべき」や「しなければ
ならないという考え」を
受け入れない。

・自分の行動や思考や決断に、
責任を持つ

・今のまま、ありのままの自分
でいることに身を委ねる。
これが基本原則だが百鬼丸は
否応無しに そうせざる負えない
ように持っていかれて、
「今」を受け入れ、
「ありのまま」を生き、
「現実」に生きて行く。


その対価が本物の自分なのだ。

漫画では未完として有名だが、
私自身の感想として
人間は そうして自分を持つ
ために絶えず戦い流されず、
延々と生きていくものだから
ストーリーを完結させる
ことなど 実は どうでも
良かったのではないかと
思えるのだ。

いつも感じているが、
どこを見ても私達は
情報や何かしらの影響で
感化され本来の自分を
見失いがちである。

そんな中で意固地にならず、
全てを受け止めて興味があれば
それを追っても自分の中に
一旦取り込み消化して、
自分なりの血肉として
自分らしさを保つというのは
ある種の魔物との戦いを
感じる。

独自性とかオリジナリティー
というものが どういう
過程で生まれているのか。

最近 聞いた話で、
過去の人真似でも
あまり知られていない物が
あると「これは私のオリジナル」
と言ったもの勝ちの傾向が
あるという。

ビックリしたが、言われて
みれば あらゆる音楽の
美味しい所だけ少し抜いて
継ぎはぎして くっつけて
一つの作品としても通るわけ
だから、その元を作った
人達は どんな思いでいるのか
とか考えることがある。

しかし どんな時でも
自分が流されず 時には
取り戻さなければならなく
なった時も含めて、
『どろろ』からのメッセージは
強烈だと言える。
今日は そんな事を考えた日だった。

2014-02-27 17:35:48投稿者 : Nachiko
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