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M1 紫の糸 ~光を~ La Lumière

M2Prisoner

M3  ホ・ン・ネ Real intention

M4 夕映え It was good die in loneliness

M5 幻華 Distractionof Ω 

 M6 体が風になるまで Return Me!

ボーナストラック:μμタンバリン(アレンジ&プログラミング:Team S)


Vo    Nachiko

Dr    :そうる透

Bass   :渡辺建

Bass   :和佐田達彦

G      :田川ヒロアキ

G   :竹内亨規

Key    :河野啓三

Key    :河本慎一

Vi    :武藤祐生

和太鼓 :響道宴


Mix :岡野高史

All Music&lyrics:舘岡奈智子

All Produce&arr.:そうる透

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La Lumière 

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日本の音1⃣

雪が降っていた時、時々何か大きな
音でもしたのか犬達が何度も
ワンワンと吠えていた。
おそらく屋根から雪がドサっと
落ちた音だろうと想像がついたので、
そのたび私は犬達に説明をしていた。

わかったのか、わからないのか
説明をすると吠えるのをやめた。

それが 雪がやんで解けてくると、
今度は屋根から違う音がしてきた。

連続的な「タタタタ…」という
感じの音だった。
かすかに聴き取れた音でも犬達は
反応した。

東京は雪に対応した屋根の角度を
つけていない。

一年に数度ろくに降るかどうかも
わからない雪のために、わざわざ
対策を取っている事などない。

玄関先に積もった雪かきだけで
ヒーヒー言う困ったちゃんになる。

今日はそれでも雪が上がり
道路の雪も消え車を出せたので、
やっと獣医に行けた。

これ以上降ったら どうしよう
と思っていた。

何しろ私は自慢じゃないが、
雪道は一切運転出来ないのだ。

獣医に向かいながら
道路脇に積まれた雪の中に
幾つも雪だるまを見つけた。

電車が止まったり大変だった
けれど、季節を感じて そう
悪いものでもないのかと
思いながら信号待ちをしていた。

雪は私に ふと色々なことを
思い出させてくれるが、
あの雪がドサっと落ちるのも
国によって違うのではないか
と思った。

地方によっても違うだろう。
人間に、無音というのは
絶対に存在しないのである。

ジョン・ケージは無音を
芸術にまで押し上げたが
私は日本の音・自然に入ってくる
音・雑音も貴重なものなのでは
ないかと思えている。

日本人は音を何世紀にも渡って、
繊細な感受性を持って見つめてきた
民族だ。

音が季節の象徴のように扱われて
いたりする。

文学の世界が幾つも生まれている。

雪解けの水のしたたる音は、
春を告げる音。

梅雨時の雨がシトシト降る音。
自然に外から入る音から、
湿っぽさとモノトーンの世界を
肌で感じる。

夏は夜空に輝く打ち上げ華火。
あの華火の描く光りの図柄にも
目を奪われるが、
少し遅れてドーンとくる音が
たまらない。

体内に響き入るという感じで、
私の中では大好きな和太鼓の
大太鼓を近くで聞いたような
衝撃に似ている。

今でこそウチの方では聞こえなく
なったが以前は夏は蝉が鳴いていた。
たまに軒に止まり「ミーン ミーン」
とかやり、季節を実感したものだ。

秋は、どこからか虫の声。
今は ほとんど聞こえないのが残念だが
きっと緑のある所なら聴こえるだろう。

日本人は古くから、自然界の音を
心地よいと感じてきた。

俳句や浮世絵を見ても よくわかる。
身の周りの様々な音を、豊かな感性で
作品にしてきた。

そして聞くだけではなく、音を作り
だしてきた。
例えば拍子木。

様々な場面で使われている。
宗教行事から歌舞伎や日本舞踊
といった伝統芸能、相撲など、
昔から注意を喚起する時にには
この拍子木をならすのが
お決まりだった。

この音は冬の風物詩だったことも
ある。

日本の冬はとても乾燥しており、
火事が起こりやすい。

そこで拍子木を鳴らしながら
夜回りをする習慣があった。

「火の用心!」カチカチ!

いつの間にか この音とは
ご無沙汰になってしまったが、
私には忘れられない光景がある。

この「火の用心!」カチカチ!
が近づいてくると、
理由は知らないが私の母が慌てて
部屋の電気を全て消して、
「静かにしなさいよ! しーーっ!」
と言いながら、カーテンと一緒に
ヒョコリと頭を窓から出して
拍子木を持って夜回りをしている
人達を覗いていたのだった。

私も真似して覗きたくて一緒に
見ようとすると叱られた。

どうやら「下品だから」だそうだ。

どうしても見たくて自分の部屋に
行って真似して部屋の電気を消して
窓から覗いたら、おじさんが
2人ではんてんを着て並んで
歩いている後ろ姿しか見えなかった。

母が覗いていた窓が一番通りが良く
見える特等席の場所だったのは悔しい。
なんで、「火の用心」のカチカチの
正体が おじさん2人で、ガッカリした
のかは未だにわからない。

もっと わからないのは毎回
母が 来る度に電気を消して
覗いて喜んでいた事。
おまけに、一番良く見える場所から
覗けなかったことが何故
あれほど悔しかったかも謎なのだ。

頭ではわかっているのだけれど、
こうして たまに母に疑問を持っては
理解しようとして撃沈する。

特殊な感性を持っている人なので
私は自分の平凡さに安心させられる。
こう書いても どこか
負け惜しみに聞こえるのが虚しい。
一緒に覗いてしまったのだから。

そして、町では以前 豆腐売りが
ラッパを鳴らしていた。
近所のおばさん達が それぞれ器や
鍋を持って集まって行った。
来なくなって随分経つ。

風鈴も売りに来た。
カラフルな風鈴をつけたおじさんが
賑やかな音を立てて歩いて来た。
あの光景は数回しか遭遇していないが
かなりのインパクトがあった。

不規則に鳴るチリンというかすかな
音に、日本人は涼しさを感じるのだ。

風鈴には糸で短冊がつけられており、
風を受け中にある部品を揺らす。
それが本体に当たり音が鳴る。
金属/ガラス/陶器など、素材は様々。

毎年7月に開かれる川崎大師の
風鈴市、日本全国から800種類以上の、
30000個近い風鈴が一堂に会す。

これらが日本の家々の軒下に
吊るされて、音を奏でるのだ。

元々風鈴は、お寺に吊るされた風鐸
というものから始まったと言われて
いる。

涼しげな風鈴とは別の音で、魔除け
としての役割をもっていた。
江戸時代には庶民の生活にも
溶け込んでいった。

浮世絵には、浴衣を着た女性の背景に、
現在と同じ形の風鈴が描かれている。
私は金属製の高い音のする風鈴が好きで、
必ず吊るしていた。

一年中吊るしているので
よく私と電話で話すと電話の向こうから
風鈴の音がすると言われていた。

熱心に風鈴を見て歩いていた時期が
あったので、川崎大師の風鈴市にも
行ったことがある。

耳元で選んでは好みの音か聴いてみる
楽しみも、色彩鮮やかなガラスの
風鈴の美しさも素敵としか
言いようのない市だった。

あれだけの風鈴が鳴る場所は、
そうないだろう。

素敵な音を聴いて、甘味処に入って
一休みするなんて…
日本人に生まれてきてよかたと
思う ひとときである。

外国人が秋の虫の鳴き声を
うるさがったという記録があるが、
日本人は秋の虫の鳴き声を
こよなく愛し、その鳴き声に
魅入られて飼っている人さえいる。

音のない空間にも日本人は
「シンシン」と表現し、
そこに芸術性を見いだす。

外から自然に聞こえる音もも聴き、
雑音さえも大切にし、
日本独自の音まで作りだす。

何と繊細で感受性豊かな民族かと
改めて思うのである。

今 私の風鈴は雨風で短冊を何度も
付け替えても破れて取れてしまい、
鳴らないままになっている。

思えば蝉の声が聞こえなくなった
頃くらいから風鈴の音を気に
しなくなったように思える。
良くないなぁと立ち止まる。
こうして感性は鈍っていくような
気はしてならない。

2014-02-10 23:31:55投稿者 : Nachiko
この記事のURL コメント(6) トラックバック(0) nice!  あしあと
    6件中   1 - 6 件表示 ( 全 1ページ )
    コメント一覧
    久松さんへ半鐘の音っていうのも良いですね!地域によって違うのですね。それにしても鶏といえば亡き祖母が屋上で鶏を飼うと言って両親と喧嘩になったことがあります。雄鶏のコケコッコーを聞いて雌鳥を飼って卵を食べると騒いでいました。毎回屋上は騒ぎの場所でした。
    サイト管理者 Nachiko   2014-02-13 08:01:25
    馬鹿道マッシグラさんへ鐘の音が拍子木の代わりだなんて風流です。毎回覗き見していた母なら、どんなに興味を示したことでしょう!掃除機が一番苦手な音って…ウチのワンコ達みたいです。全員大騒ぎして逃げ出します。
    サイト管理者 Nachiko   2014-02-13 07:54:31
    瑞恵さんへ読唇術って半分は勘になりますが、なんとなく少し出来ます。表情と口で言っている事が違う人がいるとビックリすることがあります。鈴虫も沢山いると騒音になるのですね。何でも程々がいいってことでしょうか。
    サイト管理者 Nachiko   2014-02-13 07:49:49
    guest
    僕の住む街では、中心部を除いて家々や集落が広い範囲に点在しているからか、火の用心は消防団の消防車がカンカンと鐘(半鐘)を断続的に鳴らしながらゆっくりと巡回しています。子供の頃実家にいたころは、朝は雄鶏のコケコッコーの声や雀の大群の囀りで起こされてたものでした。
    投稿者 久松   2014-02-11 12:42:32
    guest
    こちらの現在の「火の用心!」は拍子木のカチカチ!ではなく「カラン!カラン!」と、手に持って振って鳴らす鐘の音になっています。それも滅多にありません。時期が決められているのか・・・? 《音》何にも付き物ですが私の一番苦手な音は〔掃除機〕の音。掃除機は持っていますがどちらかと言うとホウキを使いたい人なのです。
    好きな音を選ぶのは難しいです。
    投稿者 馬鹿道マッシグラ   2014-02-11 08:50:50
    guest
    聴こえない方との接点を持っている私は、あえて聴こえない世界を体験したくて新幹線の中からホームで会話をしている人の読唇術を試した事がある。そして聴こえない世界に憧れる時もたまにある。私は聞きたい音は聞きたいけれど耳障りな音は避けたいタイプの人間。昔母が「観察日記をつけなさい」と鈴虫をケースに入れて私に与えた。それが相当の数に増えて、物凄い羽音になった。当時アパート暮らしだったのでその羽音から逃げる事が出来なかった思い出がある。
    投稿者 瑞恵   2014-02-11 00:27:09
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