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M1 紫の糸 ~光を~ La Lumière

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M3  ホ・ン・ネ Real intention

M4 夕映え It was good die in loneliness

M5 幻華 Distractionof Ω 

 M6 体が風になるまで Return Me!

ボーナストラック:μμタンバリン(アレンジ&プログラミング:Team S)


Vo    Nachiko

Dr    :そうる透

Bass   :渡辺建

Bass   :和佐田達彦

G      :田川ヒロアキ

G   :竹内亨規

Key    :河野啓三

Key    :河本慎一

Vi    :武藤祐生

和太鼓 :響道宴


Mix :岡野高史

All Music&lyrics:舘岡奈智子

All Produce&arr.:そうる透

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ライオンブックス1⃣手塚治虫全集より「あかずの教室」

さて今回はライオンブックス1⃣
手塚治虫漫画全集に納められている
最後の短篇である。
この「あかずの教室」は
これまでと違ってSFといっても
毛色が違う。

宇宙ものではない。
捉え方によっては心霊ものに
分類する人もいる分野でもある。

ストーリーは、二人兄弟の弟の
ヒトシが主人公で
彼の周囲では物がなくなったり、
石が無数に降ってきたり、
家具や色々な物が動いたり、
それこそ不思議な現象が起こる
のである。

物語が進むに連れてヒトシが
兄に大きな嫉妬を持っていた
事がわかってくる。

思春期の子どもが思い通りに
ならない苛立ち、兄のお古を
着せられることの不満など
精神的な抑圧を抱えていること
が判明してくる。

そしてヒトシの周囲に起きていた
不可解な現象はヒトシが念じた
通りに物事が動いていただけだと
わかってくる。

超心理学世界超能力開発機構の
理学博士が両親を訪ねてきて、
ヒトシが念力でポルターガイスト
現象を起こしたと現場を見て叫ぶ。
ポルターガイストは特に、
子どもや思春期の若者の強い性的な
欲求のはけ口や不満の はけ口として
引き起こす現象だと説明する。

兄と同じ高校に進学した弟の
ヒトシは、兄の恋人を好きになる。
しかしその恋人は父親がドイツ人で
高校を卒業したらドイツに帰らなければ
ならないという。

結婚したいという兄は、ヒトシに
結婚を阻止され恋人を教室に
閉じ込められ醜く変えていかれる。

そこでヒトシの超能力を知る兄だが、
兄はヒトシの前から恋人を追って
ドイツに行ってヒトシの前から
姿を消すから もう自分の存在を
気にすることはないと話す。

そこまでのヒトシからの兄への
不満・忍耐とかを吐き出すシーンが
この超能力を引き出したと思わせる
ように書いてある。

兄が自分の前から姿を消すことを
知るとヒトシから超能力が消える。
そして普通の人間になる。
最後にポルターガイストの説明文が
書いてある。

この作品は昭和46年6月21日号
少年ジャンプなので、いかに手塚治虫
が広範囲に渡って様々な分野に目を
向けて作品を世に出していたかが
わかる。

この作品ではポルターガイストを
扱ってはいるが、兄弟の難しい
葛藤も上手に描いている。

男兄弟で とても親しい人もいるだろうが
どうしても どちらかが劣等感を
持ってしまったり、均等に
愛されていない気持ちになることは
ないだろうか?

その思春期の心理の状態を
ポルターガイストを使って表現する
という二重の厚さで短篇を
仕上げている。

記憶として印象的なポルターガイスト
では私達は映画『エクソシスト』
なのではないだろうか。

実際にポルターガイストの報告は
古くからあり、
少し調べただけでも

1661年−1663年
イギリスのテッドワースで起きた現象。

1714年ー1747年
(寛保から延亭年間)のころ江戸で
起きた次のような事例が1839年
(天保10年)ごろに出版された
東随舎の手による
『古今雑談思出草紙』に記述がある。

さらに調べると最も古い記録は
「ニッケル博士の心霊現象謎解き講座」
(ジョー・ニッケル著 太田出版
2000年度)を参考にすると
紀元前6世紀にリビウスというローマ
の歴史家が、石が雨のように降ったと
記録を残している。

書ききれないくらい その報告はあがっている
ので検証は熱心にされているにも
かかわらず、懐疑主義者の研究者が
来ると急になりを
ひそめてしまうという点だ。

懐疑主義者でポルターガイストを経験
した人は少ない もしくは皆無とか
言われているほどだ。

そしてポルターガイストを
子どものイタズラ、精神的に不安定な
大人がやったこととして片付けるのだ。

しかし警察が入るほど人間の力では
考えられない怪現象が起きているのも
否定しようのない事実で、
悪霊の仕業とか考える人達が出てきても
不思議ではない。

手塚作品では、悪霊とか持ち出さず
あくまで兄に体する不満・嫉妬などの
思春期で増幅された歪んだパワーが
そのような超常現象を起こしたと
描いている。

他の作品では宗教や霊の世界を
ふんだんに取り上げて描いているので、
手塚作品を読む場合は、
この作品に関しては手塚先生の
スタンスは こういうスタンスで
描いておられるのだと含んで読む
必要がある。

決して霊的世界も否定しておられない。
それは ご自身が医師として
人間の生死を通して教科書や科学では
説明できない目に見えない世界の
存在を十分にご存知だったからだと
思う。

この短篇では超能力でも
ポスターガイスト一つだけに絞って
描いて下さっているのも
非常にわかりやすい。

ここでも兄弟の兄弟ゆえの隠れた葛藤、
見落としがちな本人にしか
わからない、こちらが気遣って
あげなければわからない思いやりを
そっと教えている。

私達は普通に生きているだけで、
人を傷つけているということを
こんなところで教えてくれているのだ。

知らず知らずのうちに犯している罪を
手塚治虫という人は俯瞰的に
眺めて悟っては作品に、
色々な興味ある話題や現象を使って
根底にメッセージとして、
訴えているのだ。

私達は手塚治虫の作品から
幾つ その深いメッセージを受け取れる
ことができるのか。

目先の目くらましの話題や表の
ストーリーを自分の都合で
勝手に受け取ってやしないか。

かなり辛辣で痛烈な批判や、皮肉
警告 反省を促すメッセージを
見落としてやいないか。

単なる男女の物語として済ませてや
いないか。

今回1⃣巻だけを丸々取り上げたが
そんなことを考えさせられた週だった。

2014-01-28 16:42:47投稿者 : Nachiko
この記事のURL コメント(4) トラックバック(0) nice!  あしあと
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    コメント一覧
    馬鹿マッシグラさんへある意味この物語は淋しいですね。兄弟が和解することなく、片方が消えることで解決するのですから。そういう解決しかない場合もあると広い範囲で考えれば言えないこともないのかと考えさせられます。
    サイト管理者 Nachiko   2014-01-29 21:35:20
    瑞恵さんへ手塚先生の視野の広さには常人を逸脱したものがあります。そして、その思慮深さ、感性、先見の明など超越しています。
    サイト管理者 Nachiko   2014-01-29 21:32:41
    guest
    兄弟は他人の始まりと言います。
    どんなテーマであろうと、終始兄弟が仲良しという物はありません。
    むしろ、兄弟なんて居ない方が良かったと思っている今日この頃。

    手塚さんも多方面からの意味でのメッセージだったのでしょう。
    投稿者 馬鹿道マッシグラ   2014-01-29 21:13:23
    guest
    確かにこの世の中、表面だけを見て判断したり評価される事が多いです。
    それに対しての当人の意志や周りの状況に冷静な目でじっくり見回すと、多々「おや!?」と思わされる不可思議な事も多くあるのです。
    手塚先生は凄く鋭い目をお持ちですね?
    投稿者 瑞恵   2014-01-29 09:16:09
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