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Vo    Nachiko

Dr    :そうる透

Bass   :渡辺建

Bass   :和佐田達彦

G      :田川ヒロアキ

G   :竹内亨規

Key    :河野啓三

Key    :河本慎一

Vi    :武藤祐生

和太鼓 :響道宴


Mix :岡野高史

All Music&lyrics:舘岡奈智子

All Produce&arr.:そうる透

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ライオンブックス1⃣手塚治虫全集より「はるかなる星」

今日も引き続きライオンブックス1⃣から
なのだが、書きたくなる内容なので
ご容赦を。

この「はるかなる星」は人間が
火星に移住したことを前提に
書かれている。

専門家の間では以前から他の惑星
への移住に関して色々研究されて来た。
特に火星は長いこと その対象であった
ことは言うまでもない。

しかし手塚治虫が この作品を書いた頃
ここまでの発表はされていなかったと
思うのだ。

まずは作品の あらすじから書こう。
これが また短篇であることに
驚いてしまうのだが。

ある日、火星でロボットである
大和路明が保存課長に呼び出される。
そこで「あなたの肉体が行方不明です。
はっきりいうと脱走しました。」
ときかされる。

大和路明は火星開拓士なのだ。
火星開拓士は火星の厳しい
環境にあわせるため、肉体から
脳髄だけを取り出し、サイボーグ体に
移植する。

そして暫くの間使わなくなった肉体は、
つまり魂の抜け殻は、かわりに
電子頭脳をはめこんで保存してある。
任務が終わったら元の肉体に戻して
もらう。

そんな中で大和路の保存してある
肉体だけが動きだして逃げたという
のである。

輸送ロケットにまぎれこんで地球へ
逃げたらしいという。
火星から地球に移るために体が
もたないという。

いずれ潜函病のように体が膨れて
死んでしまうはず。
期限は地球へ着いてからせいぜい
一週間。

それを聞いて大和路は人間の体の
自分を取り戻しに、自分が
「人間である」という証明書を
書いてもらって地球にロボットの
体のまま地球へ向かうのだ。

ロケット乗り場で
「あの格好じゃ地球じゃ苦労
するだろうな」と言われながら。

ニューヨークにいることがわかり、
向かうと さっそく人間に
「ここは人間様の町だ。てめえの
ような機械ののさばる所じゃねぇ」
と暴行を受ける。

抵抗してポリスに捕まり、証明書も
見つかり人間だとポリスは知るが
「日本人」ということもあり、
暴行は暴行だと無茶なことを
言われ一週間の留置を言い渡される。

ここで大和路がいくら自分の
自分の体を盗んだ電子頭脳が
死んでしまうと訴えても
聞き入れてもらえない。
仕方なく脱走する。

一方電子頭脳の大和路の体は、
電子頭脳を作った博士を尋ねる。

そして自分が電子頭脳同士に
人を好きになる回線があって、
その好きになった恋人の
置いてある場所を教えて欲しいと
聞いてくる。

博士から日本の東大地震研究所
に送られたと教えられると、
恋人に会えたら そのあと
どうなってもかまわないと
言い切る。

ロボット姿の大和路は行き場を
なくして実家の日本に行く。
しかし、その姿から酷い拒絶にあう。

そこへ人間の姿の電子頭脳の
大和路が帰ってくると家族は
大歓迎する。

迫害されながらロボット姿の
大和路は過ごす。

家族に歓迎されていたはずの
電子頭脳の大和路は徐々に、
家族が本物ではないと気づき
はじめる。

そして期限の七日目
電子頭脳の大和路は東大の
研究室に行く。

恋人はオタケビ岳の地震計測所に
行っていると聞かされる。
研究所を見張っていたロボットの
体の大和路は中から出てきた、

人間の体の自分を追いかける。
行ってみると火山の活動を
調べるために火口壁の底に
すえてあると教えられ、
会えなくて電子頭脳の大和路は
ガッカリしながら火口に向かう。

その遥か下に機械の恋人がいた。

そこにロボットの大和路が追いつき
今日中に地球を出発しなければ!
と迫ると、
「あれと一目会うことができれば
火星へ帰ろう」と約束する。

ロボットの大和路は火口に降りて
行くが重さで綱は切れてしまう。
もうダメかと思うと、
電子頭脳の大和路は二本の綱を
下げてよこし片方をロボットの
大和路に、片方を恋人に
結ぶように言う。

恋人が測定器なのを知っている
電子頭脳の大和路は
「測定器をのぞいてみてください。
MM4489があるかどうか。」
「ああ、電子頭脳だ。見える。
測定器の中核だな。」
とロボットの大和路が言うと
「それが私の仲間だ。
一目でも会いたかった。
さぁ、その測定器を力いっぱい
押して下さい。
それを火口の中へ落とすんだ!」
そう叫び、測定器が落ちたので片方に
結んであったロボットの大和路は
上に引っ張られ無事助かる。

そしてロボットの大和路は
電子頭脳の人間の大和路を連れて
ロケットに乗る所で終わる。

最後にロケットの中で
電子頭脳に向かって
「恋人と無理に引き離されて
何年も火星に閉じ込められて
いちゃ…人間だって我慢
出来ないよな」と言っている。

この作品が昭和48年1月22号の
少年ジャンプに掲載されたという
のだから脅威でしかない。

火星に関しての綿密な調査は
ずっと行なわれてきたものの、
現在発表されている情報でも、
米航空宇宙局が火星探査中の
無人機「キュリオシティ」の後続機
を2020年に打ち上げる計画を
発表し、宇宙ファンの間で
「火星移住計画の事前調査?」
という声が上がっている。

有人火星探査を30年代半ばまでに
計画している米国。

その先の壮大な移住計画の事前調査
への期待が膨らんでいる。

しかし民間は もっと凄い。
オランダに本拠地を置く非営利団体
「Mars One」が2023年に人間を
火星に移住させることを計画している
という情報が出ている。

Mars Oneでは、2016年から
必要物資をロケットで火星に送る
作業を始める計画だという。
ただし、これは片道旅行だ。
火星に着いたら地球に帰る計画はない。
と書いてある。

火星関係について調べると、いかに
人類が探求してきていたかが、
わかるのだが手塚作品が それを
この時代にすでに予期して、
しかも過酷な環境という事から
ロボットに脳髄を埋め込んだ人物・
本物の人間の体に電子頭脳埋め込み
をした人物と二人に分けて描いて
いるところがゾっとする。

人間が人工的に二分割されるわけだ。

しかもストーリーでは「開拓士」
という職業が公に人々に認められて
おらず、ロボットのくせにという
セリフから、ロボットである
ということだけで下に見られ、
差別を受けていることがわかる。
そのロボットが実は破壊力が強く
人間より強いことも描いてある。

しかも想定外の電子頭脳同士の恋
として描かれている内容は、
「人間が支配可能だと思っている
科学の進歩も操作不能の事がある」
という呼びかけに思えてならない。

自分の脳髄を持った外見ロボットの
大和路が迫害を受け、電子頭脳の
魂の無い人間の大和路が迫害を
受けないという点も、
現代社会に そのまま通じる内容だ。
楽に生きるなら「魂」など
持たない方が良いのだ。

人を傷つけることを何とも思わない、
自分だけ良ければ幸せ、痛みを感じない。
裏切ることとか罪悪感など一切持たない。
ひたすら優秀な学問と知識だけ持つ。
体は人間でも中身は電子頭脳。

それにひきかえ、外見は見劣り
中身は感受性と人への愛で溢れている
人達が どれだけ違った暮らしをして
いることか。

手塚治虫はチラっと家族が電子頭脳の
大和路を家族が見分けた所で、
家族の愛に触れている。

自分が死ぬからロボットの大和路は
人間の体を取り戻しに行ったのだろうか?
分割された自分の体が戻らなくなることを
焦ったのだと思う。

これは永遠のテーマではないかとも
受け取れる。

自分で自分を取り戻すこと。
自分を探しに行くことは流行った時期も
あった。

さらに、私が うわっと思ったのは
この電子頭脳が並ぶシーンの描写だ。

映画『マトリックス』さながらでは
ないか。

映画『マトリックス』については
語り出したら、何日書いても
収まらないほど書きたいことがある
のだが、この仮想現実の世界、
操作されて見せられている世界が
あるとしたら「今」は本物なのか?
という突き詰めていく問題になる。

現実的な話で私は並行現実をも
信じているし、マトリックスの世界も
ありえると思っているので手塚治虫の
作品は一体何処から来るのだろうと、
いつも首をひねるのだ。

あまりに多岐に渡っており、
次元を超越し宗教や科学の過去未来をも
すべてを見てきかのような、見ることの
出来ない奥行きと壮大なスケールに
手塚治虫という人間の体をした人智を
超えた存在が 人間の親しみやすい
手段で子どもから大人まで馴染める
内容を合わせて連発し、中には
同じ作者が書いたと思えない作品まで
あり、その影響力の大きさから
沢山の漫画家を世に送り出し
現在に至っているのである。

必ずといっていいほど、手塚作品には
警告じみた内容を感じる。

人間が「絶対大丈夫」と信じているもの
に対して「NO」を叩き付けている。

人間が支配できるはずのコンピューターが
勝手に意志を持ってしまったり、
ロボットが意志を持ってしまい自由に
ならなくなったり、必ず人間の力の
限界とか機械を制御できない場合がある
ことを提起している。

これは過去を遡っても文明が滅びた原因を
知っているのではないかとさえ思えるのだ。

物事に「絶対」などあり得ないことを
擬似的な表現や比喩的表現で、
それは男女の恋愛感情に置き換えたり、
親子の感情に置き換えたり様々な
わかりやすい形にして諭している。

おうおうにして手塚作品に関しては
感想を書くと内容が重いので、
こちらも長くなってしまう。

短篇も長編も関係なく、しっかり
メッセージを発するところが
超人としか表現のしようがない。

2014-01-27 18:01:41投稿者 : Nachiko
この記事のURL コメント(6) トラックバック(0) nice!  あしあと
    6件中   1 - 6 件表示 ( 全 1ページ )
    コメント一覧
    瑞恵さんへ手塚作品は奥深くて、男女の感情を何かのストーリーの粉砂糖のように目くらましに使ったり、こんこんと説いたりします。今回の話は「粉砂糖的扱い」と受け止めています。同時に「真実への追求」を感じます。
    サイト管理者 Nachiko   2014-01-29 21:29:36
    guest
    スリリングな話ですね?
    ロボットの体を持った自分が肉体を探す・・・かなりの困難が予想される。
    最後のところで恋人を登場させるところがいかにも愛情の大きな意味を表していると思わされる。
    投稿者 瑞恵   2014-01-28 21:58:37
    久松さんへ手塚作品は本当に最高峰の登山だと私も思っています。コツコツ登ることに快感を得て、また登る時期を変えると違う景色が見えるという、まさに「登山」だと思います。
    サイト管理者 Nachiko   2014-01-28 16:58:46
    馬鹿マッシグラさんへご自分が人間でないと感じることがあったら、それって凄いことだと思います。
    サイト管理者 Nachiko   2014-01-28 16:56:10
    guest
    ううむ、この手塚作品も未読です。作品群が膨大すぎる~!購入していてはお金がおいつかないから、漫画喫茶にでもいくか(はたして手塚作品のような古典はおいてあるのだろうか?)、近くの北九州市にはまんが図書館ができたので、そこなら蔵書してるかも。手塚治虫先生って、漫画愛好家にとっては、ほんと巨大な山脈です。
    投稿者 久松   2014-01-28 12:02:40
    guest
    じぶんも、もしかしたら人間ではないのでは?
    と思う事がある。
    投稿者 馬鹿道マッシグラ   2014-01-27 23:24:05
    6件中   1 - 6 件表示 ( 全 1ページ )