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Bass   :和佐田達彦

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Key    :河本慎一

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Mix :岡野高史

All Music&lyrics:舘岡奈智子

All Produce&arr.:そうる透

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『芸術新潮』2014年1月号

アートマガジン『芸術新潮』(新潮社)
の2014年1月号で
「大特集デビュー60周年つげ義春
マンガ表現の開拓者」が掲載されて
いる。

4時間に及んだロングインタビューが
みどころで、聞き手は日本の美術史家
であり、美術評論家であり、
明治学院大学教授でもある山下裕二。

彼による各場面の選書にも注目できる。
ちなみに『芸術新潮』がマンガ家を
特集するのは手塚治虫・水木しげる・
大友克洋に続き、今回が4人目。

創刊から60余年の中で たった4人
とは驚きである。

そして『日本美術全集』の第19巻
「拡張する戦後美術」
(小学館・2015年6月刊行予定)に
つげ義春の代表作「ねじ式」が
収録予定である。

マンガは美術なのか?という問い
なのだろうか。

何故、いま『芸術新潮』
『日本美術全集』は、つげ義春を
取り上げるのか。


ちょっとここで、もし つげ義春を
ご存知でない方のために簡単に
どんなマンガ家かと説明すると…

彼は1937年東京生まれで今年70歳。
小学校卒業後メッキ工場につとめた
ものの、幼少期からの対人恐怖症が
禍いして、すぐに失業する。

他人と共同作業しなくてすむ職業
として、マンガ家を志し、18歳で
貸本マンガのプロデビューをした。
マンガ家を職業とした動機が、一人
で出来る仕事、という点であった
ことは見落とせない。

しかし生活苦から売血までしつつ、
ついに25歳の時に自殺未遂をおこす。
不安神経症が彼につきまとった。

どこまでも、つげの苦悩の最大の
原因は生活苦だった。
1965年「噂の武士」で『ガロ』
8月号に初登場。

白土三平がつげを千葉県大多喜の
旅館寿恵比楼に招待し、また
赤目プロのアシスタントであった
岩崎稔から井伏鱒二を読むように
勧められ、この経験から旅に
夢中になり、のちに一連の
「旅もの」作品として結実させた。

やがて、生活のため水木の
アシスタントを1年半ほど務め
調布に転居。
その後、様々な作品を発表していく
のである。

つげ義春との出会いは、私は
以前クセだったショッピングカート
を持っての古本屋巡りだった。

大きめのショッピングカートに、
溢れるほど古本を買い込んでいた
時期がある。夏目漱石の全集も
紐で括ってありホコホコした気分で
帰って来たものだ。今まで文庫本で
貧弱だったのが いきなりケースに
入った全集で揃う時は嬉しかった。

そんな多感な時期に つげ義春と
出会った。マンガという気が
しなかった。すんなり入ってきた。
気取りがなくてストレートで、
シンプルな画風と神経質そうな
雰囲気が奇妙にマッチしていた。

有名な「ねじ式」は全く違和感を
感じなかった。
画風が暗い気もしたが、そこに
嘘をつけないリアルさを感じた。

初めて美術の授業でダリが出てきて
ダリ展があった時、大喜びで
行った私だったので、シュールの
意味が理解出来ていなかったのかも
しれない。

「不思議な手紙」という作品には
主人公の母親の墓が2つあることを
手紙で知らされるのだが、そこで
友人に「君の母さんの墓は谷中では?」
という一説が出てくるのだが、
それだけで本当に身近に感じてしまい、
私はググっと惹かれてしまった。

つげ義春といえば、竹中直人の
『無能の人』と思う人も多いかも
しれない。

日本文芸社刊『無能の人』に収録
された1987年のインタビュー記事で
つげ義春は

「自分っていう人間が、世の中にうまく
適合しなくて生きにくいんですよね。

生きにくいから、なんかこうもっと
生きやすい方法があるんじゃないか
って、そういうところから読書に
いってるところがあるんですよね。

〜略〜私小説作家って貧乏とか
病気とか、家庭内の色々な悪い
ことを書いているわけで、
そういうのって自分にとって
リアリティーがあるんですよ。

〜略〜私小説作家って一種の
社会から脱落した はみだし者の
かんじがするんですね。

そうすると、自分にもそういう
素質というか要素があるもんだから、
なんとなくピタっと合ってしまう
ところがあってね〜略〜

ボロくずのようになれば、意識も
混濁して死のおそれもなくなる
んじゃあないかと…」

このインタビュー記事を
つげ義春は「物乞い論」と名付ける
のである。

つまり『無能の人』が「私小説」
ならぬ「私マンガ」だったことが
わかる。

私は、「私小説」というと すぐに
芥川賞作家の西村賢太を思い
浮かべてしまうのだが、同じ
私小説でも随分違う。

小説とマンガという違いもあるが、
西村賢太の凄いところは紙面から
臭ってくる事だと思う。

つげ義春の世界は常人では描けない
忘れてしまう あの夢で断片的にみる
光景を再現できる処にあると思う。

記憶・感情・感触・音などを
一枚の紙に描くという技を
やりとげる。

人間のフィルターを通すので、
時と共に、女性は醜態に、
グロテスクに描かれていったり、
エロティックな画風は初期と
比べると人生の流れを感じ
させる。

今 何故 また つげ義春なのか。

そして、また派手なアニメが
流行っている中でキャリアのある
人達が注目を浴びてきているのか。

画風も変わらず、むしろ古い感じが
注目されるのか。

それは、その生き方と作品力に
秘密があるのではないかと思う。
現代社会は実に病んでいる。

社会そのものが、不安神経症
などという 勝手に名付けられた
病名になりつつある。

そこに生きているだけで、
もう勝ち組なのだ。
判断基準など とうの昔に変わり、
お一人様ブームも去り、
一人は当たり前。

一人は「独り」になりつつあり、
そこに気づいた人達は、
必死に連携を取る知恵を付け、
逞しく生きることを考え始めて
いる。

いくら医学が発達しても
毎年発表される自殺者は公表3万
前後というのは3万人前後の死を
検死できたというだけで、
実際は10万人はいるという。

要するに人手不足なわけで、
人々が常に何かしらの手段で
希望や光や安心を手にしたいと
思うのは当然の事なのでは
ないだろうか。

つげ義春は苦しみから逃れるために
物乞い論を展開していったが、
それも今の時代にマッチしている
部分があるのかもしれない。

大衆と一緒に苦しみ 忘れて脳内に
溜まった睡眠時の夢の断片を
マンガにするという神業をこなす
なんて考えられないではないか。

「ねじ式」が夢を作品化したことで
知られているが、その後日談で、
実際に夢と同じ大変な体験を本人が
したそうだ。

ただ場所は婦人科ではなく、
耳鼻科だったそうだが。

私は対人恐怖症でもないし、
つげ義春のようにメンタルでの
苦しみも耳鳴りや諸々の辛さから
のがれたいとか、
症状がないので また違ってくるが
生まれる前 風をやっていた気が
するので 声はすれど姿が見えない
霞でも食べて宙を駆ける風に
なりたいなどと思ってしまう。

しかし、今の世こそ 振り返って
みることは良いと思う。

同じ失敗を繰り返さないように。

どんなに辛くても そこに存在する
だけで どんなに尊いか。

数々の つげ義春の作品リストを
眺めながら今日は そんな事を
考えた日だった。

2014-01-24 21:01:42投稿者 : Nachiko
この記事のURL コメント(8) トラックバック(0) nice!  あしあと
    8件中   1 - 8 件表示 ( 全 1ページ )
    コメント一覧
    馬鹿道マッシグラさんへ漫画といっても本当に千差万別でして、奥深いと思います。これは何においても言えていますね。芸術にまで高めた作家の作品のパワーたるや、凄いものがあります。沢山学べて幸せです。
    サイト管理者 Nachiko   2014-01-26 00:11:00
    mwさんへごめんなさい。こういう雑誌はその月の号のは先月の終わりとかで、当月に店頭に並んでいないことが多いのです。大丈夫でしたでしょうか?バックナンバー扱いになっているかもしれません…
    サイト管理者 Nachiko   2014-01-26 00:07:58
    瑞恵さん今は音声ガイドみたいな良いものが出ているみたいですよ。本も自分で読めない症状の場合、聴けるような物もあります。長い人の話の文章は録音されている物を私は聴くことがあります。
    サイト管理者 Nachiko   2014-01-26 00:04:14
    久松さんへつげ義春を語れる人がいるって嬉しいです。何故か、シュールとか言われているのが不思議です。私達が眠っている時に見ている夢は、もっとシュールなのに。作品が映画化されていたり取り上げられているので評価の高さは一目瞭然ですね。
    サイト管理者 Nachiko   2014-01-26 00:00:44
    guest
    マンガも芸術です!
    絵画と小説の良い所を用いて描いてあると思うのです。
    一コマの中に作者の伝えたい事がたくさん詰まっているシーンが沢山見られます。
    そんなマンガの世界でドップリしていると、今何をするべきなのかを考える時間が作る事も出来ることに最近気付きました。
    投稿者 馬鹿道マッシグラ   2014-01-25 19:24:27
    guest
    うっわあぁーーーー!!!
    情報ありがとうございます。僕は、つげの大ファンというか、つげマニアです。買い逃してしまうところでした。
    僕は、中学生の頃からのつげファンという筋金入り(?)のマニアなのです。もう20年以上新作を発表していないのです。もしかしたら新作も期待していいのかな?
    投稿者 MW   2014-01-25 19:06:50
    guest
    つげ 義春さん、お恥ずかしいですが初めて聞くお名前です。
    漫画も当然知りません。
    でも、物乞い…と読んで、彼の漫画を読んでみたくなりました。
    古本と言えど、カートいっぱいですか!凄いですね〜!
    私は目を悪くしていますので読書も ままなりません。
    投稿者 瑞恵   2014-01-25 16:52:16
    guest
    学生時代、「ガロ」とか「COM」を愛読してました。なかでもつげ義春さんはダントツというか孤高の人というか、群を抜いてましたね。「ねじ式」もですが、僕は他にも「赤い花」や「ゲンセンカン主人」も大好きです。そういえば昔(70年代中ごろ?)NHKがその辺りの作品をもとに「赤い花」というドラマを制作してましたっけ。確か草野大悟さん主演で。80年代にBSで再放送されたのはVHSに録画したんですが、あれDVDにならないかなあ。
    投稿者 久松   2014-01-25 02:00:44
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