Nachiko Official Website

Nachiko's books.

Nachikoの電子書籍

詳細 >>

プロフィール

シンガー&ソングライター、音楽クリエイター、物書き、産業カウンセラー、思想家。

詳細 >>

ライブ情報

Now on SALE

オリジナル表示

Warming up


M1 紫の糸 ~光を~ La Lumière

M2Prisoner

M3  ホ・ン・ネ Real intention

M4 夕映え It was good die in loneliness

M5 幻華 Distractionof Ω 

 M6 体が風になるまで Return Me!

ボーナストラック:μμタンバリン(アレンジ&プログラミング:Team S)


Vo    Nachiko

Dr    :そうる透

Bass   :渡辺建

Bass   :和佐田達彦

G      :田川ヒロアキ

G   :竹内亨規

Key    :河野啓三

Key    :河本慎一

Vi    :武藤祐生

和太鼓 :響道宴


Mix :岡野高史

All Music&lyrics:舘岡奈智子

All Produce&arr.:そうる透

synclTV


La Lumière 

プレイヤー

QRコード

携帯電話からアクセス
クリックで拡大します
URLをメールアドレスに送信

RSS RSS

猫5️⃣

今日は猫を主人公にした物語について、
河合隼雄の文章と共に抜粋しながら
すすめていく。
まずは猫を主人公とする昔話というと、
フランスの昔話「長靴をはいた猫」が
もっとも知られているし、
面白いのではないか。

私も幼い頃 挿し絵のついた厚い児童
文学全集のグリムの処で読んだ記憶が
ある。
この時に出てきた猫は賢く徹底的に
活躍し、登場人物は猫の言いなりに
なって大出世という感じだ。

河合隼雄は、「長靴をはいた猫」の
性格は、一言で言えば、トリックスター・
ヒーローということになると書いている。
そのトリックスターとは何者なのだろうか。

「トリックスター」などという用語を
知ったのは、1962-65年のスイス留学中
のことで、ユング研究所の講義で知ったと
ある。

神話、昔話、伝説などに登場する、
非常に両義的な存在で、ペテン師の
大嘘つきで、限りなく悪に近い反面、
そのような才能によって大きい仕事を
するため、英雄像にも限りなく近くなる。
「長靴をはいた猫」は、まさにその
典型と言っていいだろう。

さらに興味深かったのは、河合隼雄が
寺山修司の『猫の航海日誌』(新書館)
の一説に、
「猫…長靴をはかないときは子どもの敵」
と書かれている部分を挙げている点だ。

寺山修司といえば「天井桟敷」が私の家から
歩いて行ける所にあり、個性的な人達が
出入りしていた。

『書を捨てよ町へ出よう』には当時の私には
同調出来る部分と出来ない部分が入り交じって
複雑だったのを覚えている。

そんな寺山修司が長靴をはかない猫は
子どもの敵と書いた事に、ある意味
的を得てると思う。

実際 猫は人に懐かないとか言われるが
飼い主に赤ん坊が出来たあと、
ベビーベッドに忍び込み、自分を今まで
みたく可愛がってくれなくなった飼い主
の赤ん坊を噛み殺したという事が過去あった。
実は嫉妬深かったりしている。

しかし それを態度に出さないのも
猫の特徴でもある。

『源氏物語』のなかの猫は、別に意志的に
行動したのでもなく、極めて猫らしく
ふるまっただけと書いてある。
ただ、その行為は柏木を破局に追い込む
ほどの力をもっている。

つまり人間にとって、内なる猫と
付き合うのは大切だが、付き合い方が
難しいというわけだ。

あまりに自然に猫の導きに従っていると、
人間として生きるのに差し障りが出てくる。

『源氏物語』と『長靴をはいた猫』と
時代も文化もあまりに異なる話であるが、
猫という、たましいの顕現との
つき合い方について、示唆を与えて
くれていると指摘している。

そして我が国では『ゲド戦記』として
知られるアーシュラ・K・ル=グウィンは、
猫に関する絵本の三部作を出版している
という。
これは是非読んでみたい。

絵も素晴らしく、いずれも
アーシュラ・K・ル=グウィン作、
村上春樹訳、S・D・シンドラー絵、
講談社刊で、
『空飛び猫』『帰ってきた空飛び猫』
『素晴らしいアレキサンダーと、空飛び
猫たち』の三作だそうだ。

河合隼雄によると、これは本当に
秘密の話だが、空を飛ぶ猫が現在
世界中ではっきりわかっているのは
5匹だけだが彼等には翼がついていて、
母親はどんな猫かわかっていているが、
母親には翼はないそうだ。

秘密の話だそうだが秘密ほど、
しゃべりたいものだから困ったものだ
としながら広まったのだろう。

勿論猫好きの村上春樹も空飛び猫の話は
秘密を守りたい気持ちは強いだろうが、
関心をもっておられるので、ここに
記述した経緯を書いてあった、
話は三部作の絵本に戻るが、作者は
自分の猫をよく見ているうちに
「猫に翼がある」ことを、ふと確信
したに違いない。

河合隼雄は、
何故なしの真実を語るのがファンタジーで
あり、うそを上手に理由づけて偽の真実を
構築する遊びに精を出すのがSFである。

モーツァルトが天翔ける音楽を我々に
もたらしてくれる。
モーツァルトの音楽は何故なしである、と
それを楽しむ人。
モーツァルトには何故天翔ける翼があるのか
その根拠について論じる人。
前者を楽者と言い、後者を学者と呼ぶ。
どちらが偉いかは不明である。

要は「翼のある猫」というだけで話が
できあがっていて、鈴書きを紹介するなど
野暮だと言っている。

この三部作を通じて、よく出てくる言葉に
「お母さん」がある。
途中村上さんの注がついていて、お母さんは
アレキサンダーを見て大喜び、喉の下を
こりこりかいてくれたりし、アレキサンダー
が「すごくかしこそうな人だな」と思う。
というところに、この「かしこそうな」
について、色々述べた後で「作者の
アーシェラ・K・ル=グウィンさんは
女性なので、「やさしそうな」とか
「情愛の深そうな」とか「きれいな」
というような女性の役割分担的
キャラクターを、フェミニズム的な
見地から意識的に排除したのかも
しれません。と付け加えている。

フェミニズムは母性を否定しない。
むしろ、ル=グウィンは仔猫が空を
飛ぶ支えとして、母親が必要なことを
肯定していると思う。

ただ、この母親はいつまでも子どもを
抱えこもうとしない。
母性の必要性を認めながら、新しい
母性の在り方を見いだそうとする
姿勢がそこに うかがえる。

子ども達がたまらなく
「お母さんが好き」と感じているところ
を描き、このことを抜きにして、
女性の生き方を考えることはできない
と感じさせるという内容が書いてある。

ここで河合隼雄は専門分野の心理療法
の話に触れる。
緘黙児の心理療法だ。

緘黙というのは、言葉はわかって
いるけれど話せないという症状で、
全く話さないのを全緘黙、
家庭ではよく話すが家の外では
一切話さないという場合は
場面緘黙と言っている。

こんな登場人物が猫で出てくる絵本。
人間なら対面してロールシャッハ検査
の図版のインクのシミを何に
見えるか尋ねる。
緘黙の人に会うのは大変だと述べている。

私が小学校の頃、場面緘黙の友達がいた。
声を聞いたことがなかった。
後々、その友達が場面緘黙だったと
知るのだが、特徴的な事は覚えている。

現実的には規定の療法では大変なのに、
三部作のファンタジーの
「何故なし」療法は、
「何故 この子はものを言わないのか」
などという問いを発しない。
何故という追求をやめ、ただ
「何故なし」に会う(実はこれが相当
修練を積まぬとできないのだが)。
「何故、ロールシャッハの図版を見せたのか」
これもわからない。

後は何故とか何とか言う前に、自然にことが
運び、自然にものを言うようになった。
何故だろう。何故だかさっぱりわからない。
ここまで読んで納得しているのだが、
次の文は痛く納得している。

最後に、全く蛇足だが、人間にもときに
翼のある人がある。
翼つきで生まれてきた子どもを見つけると
すぐに翼を手術によって除去し「正常」
にする専門家(色々な名称がついているが)
たちが多い。

臨床心理士とやらがその仲間入りを
しないように願っている。
これは その通りだと思う。猫との魂の関わり
や付き合いから、翼のある猫の話を書いたが
私は、この「内なる猫」という人間としては
由々しき深い問題に猫が、関わっているのを
感じてくると、益々掘り下げてみたくなる。

怨念話や、祟りや色々出てくる。
しかし、よく考えれば こちらが
悪いことをしていなければ、そんな話は
成立しないのだ。

猫は時として化け猫にまで転じて、
正義を見せつけるのか?
面白いので、またさらに次回に書くとしよう。

2014-01-07 18:41:18投稿者 : Nachiko
この記事のURL コメント(2) トラックバック(0) nice!  あしあと
    2件中   1 - 2 件表示 ( 全 1ページ )
    コメント一覧
    瑞恵さん
    犬ばかり飼っているつもりが気づくと猫が、しっかりいて、獣医に注意されたことがあります。「あなたみたいな人は何匹でも猫を飼えちゃうから気をつけなさい。どんどん増えますよ。犬1匹で猫6匹分くらいですから」と保護ばかりしているので、あきれられました。嫌いなはずの猫を気づいたら面倒見ている自分がいました。何か、あるのでしょうね。踏み込んだら深い世界が猫なのかもしれません。
    サイト管理者 Nachiko   2014-01-09 00:49:17
    guest
    長靴をはかない猫は子供の敵・・・は〜ん。って私自身どこまで分かってこう言っているのか分からないけれど、何となく意図する事が解るようなきがする。
    翼ある猫、いいじゃない?
    難しい事は私は良く分からないけれども猫が人間の予測不可能な行動を取ることがある事は知っている。これからも私の知らない猫の話しを読みたいと期待しています。
    投稿者 瑞恵   2014-01-07 22:36:21
    2件中   1 - 2 件表示 ( 全 1ページ )