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Warming up


M1 紫の糸 ~光を~ La Lumière

M2Prisoner

M3  ホ・ン・ネ Real intention

M4 夕映え It was good die in loneliness

M5 幻華 Distractionof Ω 

 M6 体が風になるまで Return Me!

ボーナストラック:μμタンバリン(アレンジ&プログラミング:Team S)


Vo    Nachiko

Dr    :そうる透

Bass   :渡辺建

Bass   :和佐田達彦

G      :田川ヒロアキ

G   :竹内亨規

Key    :河野啓三

Key    :河本慎一

Vi    :武藤祐生

和太鼓 :響道宴


Mix :岡野高史

All Music&lyrics:舘岡奈智子

All Produce&arr.:そうる透

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La Lumière 

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今回の作品「μμタンバリン」解説

今日は私の4枚目アルバム
「Warming up」のボーナストラック
として入れた「μμタンバリン」に
ついて作者からチョット解説を
しようと思う。

この作品はルイス・キャロルの
「不思議の国のアリス」で表面を
ケーキでいえば粉砂糖でまぶしたような
ギュンター・グラスの「ブリキの太鼓」
を私なりに暗くならず重くならない
ように一つ一つ言葉を選び、
世界観を ある部分はスケッチ風に、
言語化しない部分を含めて詩を書いた。

メロディは それに負けないように
明るく一見楽しげな雰囲気に仕上げた
ものである。

何といっても「ブリキの太鼓」だ。
これは普通に表現したら、
かなりグロテスクさや重苦しい陰鬱な
展開が出てしまう。

悩みに悩み、修正に修正を重ね、
歌い方も随分何通りも試した。

「ブリキの太鼓」は私の中で かなり
インパクトの強い作品だった。

映画で見た時は本で読んだより
グロテスクさに欠けていたように思えた。
それでも視覚で見た光景は、それなりに
私には印象深かった。

ストーリーは第一次大戦と二次大戦の間の
ダンツィ匕の町を舞台に3歳で大人に
なることを拒否し自らの成長を止めた
少年オスカルと彼の目を通して見た
大人の世界を描くドラマである。

このナチス台頭する前から終戦後に至る
までの世界を3歳で成長を自ら止めた
少年の目からという内容だけだと、
そんなに変わった作品に思えないが
このオスカルは常にブリキの太鼓を
持っていて大人の世界をエロティックに、
そしてグロテスクに表現している。

物語は1899年、オスカルが産まれる前、
カシュバイ人である祖母の話から始まる。

広い荒野で芋を焼いていたオスカルの
祖母のアンナだったが、そこへ警察から
追われた放火魔が隠してもらえるように
頼むが、隠れる場所など無いと
思っていたら、アンナの4枚重ねの
スカートに隠れる。

警察が直ぐにやって来るがアンナは
その放火魔の逃げた場所を適当に答え、
アンナは放火魔をを助けるが、
その時に妊娠してしまったのが
オスカルの母親のアグネスだった。

オスカルは母親の胎内から産まれる
時に、3歳になったらブリキの太鼓を
買ってあげようというのを聞く。

そして3歳の時にブリキの太鼓を
買ってもらい、彼は大人の堕落した
姿を見て決心する。

階段から落ちて自らの成長を止めて
しまうのだ。

それ以来オスカルは身長も伸びず、
成長が止まるが思わぬことに、
大声を上げるとガラスを割る特殊な
能力を身につけてしまった。

そこから大人の 戦争がらみの死や
不倫や、母親が他の男性の子どもを
妊娠している時に嫌いだったはずなのに、
むさぼる様に生魚を食べまくり自殺。

そして、さらに母親に連れて行かれた
ユダヤ人の玩具屋の主人も自殺。

それでもオスカルは生まれて初めて
恋をする。年齢的には16歳にあたる。
そこで恋した女性が妊娠し、オスカルは
自分の子どもだと信じ3歳になったら
ブリキの太鼓を買ってあげることを誓う。

やがて以前あった小人と再会し、
オスカルは黙ってサーカス団に入団。
ドイツ兵を勇気づけるためにフランス
へ行く。

そこで小人の女性と出会い愛し合うが
爆死してしまう。さらに物語は
凄くなる。3年ぶりに家に帰って来た
オスカルの目の前で父親がソ連兵に
銃殺されてしまう。

その様子を見てやっとオスカルは
決心するのだ。

父親の葬儀の日に土に埋められる棺に
ブリキの太鼓を投げ捨て、そこへ
自分も飛び込むことを。

大人になるという決心だ。

その先、まだ続くのだが、
まぁ とにかく映画に関しては
やたらにエログロのイメージがある。

オスカルが生まれてくるシーンも、
馬らしき首から生魚が次々と出てくる
シーンも、生魚を食べまくるシーンも、
そして何より3歳のオスカルが
妊娠させると思わせるシーンなど、
描写がググっとくる。

これだけ書いてもピンと来ないだろうが、
これを音と詩だけにしたら、
はっきり言ってシュールで病的で、
グロテスクな雰囲気を半音や変拍子で
出すしかない。

オスカルが出すガラスを割る声は終始私の
頭にあった。

戦争という不条理で正義なんぞ何の役にも
立たない世界で、人は相変わらず生活し
ありえない死に直面しても次の日から、
また淡々と暮らしていかなければならない。
そもそも自らの成長を3歳で止めて、
大人になることを拒否したオスカルは、
ブリキの太鼓と共に私には注目すべき
存在に写った。

それは私が、さらに重傷なのかも
しれないが よく母の子宮に戻りたいと
思うことが多いから共鳴できたのだと
思う。

海に理由なく浸かっているのが好きなのも
海水が羊水と似た成分だと知ってからだ。
小さい時から、ただ海水に浸かっているのが
好きだった。

何故こんなに好きなのか、わからなかった。
羊水と似てると知って納得した。

オスカルにとってブリキの太鼓とは
何だったのだろうか。

私は自分の詩の中ではタンバリンに
置き換えた。

それもオスカルにとっては、いつも持って
いたキーワードとも言えるブリキの太鼓を
私はμというサイズと考えた。
宇宙規模で考えたらオスカルのブリキの
太鼓はμμくらいではないか?

大人になるとは現実を知ることであり、
自己抑制も出来ることも含まれる。

しかしこの物語の登場人物は、そんな事は
おかまいなしで、不条理な死に慣れっこに
なっている。

全てへの拒否・怒り・投げ掛けを
私はオスカルが叫ぶとガラスを割るという
超能力に表現していると捉えた。

この地球という惑星の中で戦争があり、
どの時代でも共通している「正義」
「真実」の無価値さを笑い飛ばしたかった。

それには奇麗なファンタジーを
思い浮かべるルイス・キャロルの
「不思議の国のアリス」のエッセンスを
振りかけてファンタジー色を入れれば、
この どんよりしたオスカルの世界は
違うカラーになって生まれ変わるだろう
と思った。

本当はピュアでいたかったのだと私は
解釈している。

ブリキの太鼓は「ピュアな魂」でいたい
願望を叫び続ける道具だったのでは、
ないだろうかと思った。

対比として、「不思議の国のアリス」では
つまらない理由でアリスは身長を7センチ
大きくして下さいと頼み、芋虫に
叱られている。

片方は、真っ向から人間の醜さを見て
成長を自ら止めたというのに、
片方は、夢のような世界で考えもなしに
7センチの身長増加を頼むのだ。

これは二つを組み合わせると面白いと、
私自身 勝手に燃えてしまった。

「魔法」という言葉は非常に便利なのは
説明するまでもない。

「遊ぼう」という言葉が持つ意味合いが、
実は楽しそうだが、恐ろしい大きな暗雲を
秘めた言葉であるのも理解して
もらえると思う。

唯一、この作品が「ブリキの太鼓」が
ベースであることを示すため歌詞の中に
「スカートの中は ふかふかベッド」と
冒頭に持ってきた。

4枚重ねのスカートに放火魔が隠れた
ことが大きい。

4枚重ねのスカートの中は、まるで
ストーリーの発火点であり、もしかしたら
この世界では一番の安らぎの場だったと
逆説的に考えることもできる。

そんな思いから詩が出来上がった。

あえて詩には書かなかったが、
私は「不思議の国のアリス」に
出てくるティーパーティーが
大好きだ。

何かの記念日を祝うのでなく、
「何でもない日を祝う」という。
この考え方は、何もなく過ごせること、
平凡に感謝することに繋がる。

それでタンバリンを鳴らしたら、
「蝶々がパンになる」というサビに
明るくもっていった。

食べ物に困らない平和な世界を意味する。

ブリキの太鼓は拒否の象徴だったが、
私のタンバリンは、もっと物事大きな
視点から捉えたら 現実なんて真剣に
突き詰めちゃダメだよ!という、
もっと 陽気に行ってもいいんじゃないの?
と投げかけてみた。

そうやって詞曲をつけたが、今度は
歌い方だった。

最初はオスカルを連想してAメロの歌い方を
鼻にかけて大きく揺れるヴィブラートを
たっぷり入れて歌っていた。

バックも玩具箱をヒックリ返したような
感じにした。
ホイッスルを入れてメチャメチャ感を
出したかった。

しかし、それでは あまりにも幼稚に聴こえた。
それから散々悩んでウネリのある独特の
感じをと思い始めていった。

歌い方は、わざと全く抑揚のない棒歌にした。
まるでソフト音声が歌っているかのように
感情も何も消して音程だけ正確に歌ってみた。

こうして出来上がったのが
今回アルバムに加えられた「μμタンバリン」
なのだ。

この手の音楽で溢れているので聞き流す
人は多いと思う。
しかし このような意味合いで
出来た曲だった。

2013-12-22 07:47:30投稿者 : Nachiko
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    4件中   1 - 4 件表示 ( 全 1ページ )
    コメント一覧
    瑞恵さん
    いやいや、オスカルは「拒否」をしたのです。自分を正当化したかっただけだった。それを「ピュア」でありたい。と願ったと読者に思わせたのです。しかし成長してキチンと現実を受け入れられるようになったという訳です。アリスは、あくまでもエッセンスでしか、ここでは使っていません。対比としてです。何故なら全て夢での出来事で、ある意味理想でもあるし逃避の部分の結果を感じるからです。何か、わかりにくい説明で すみません。
    サイト管理者 Nachiko   2013-12-25 06:31:17
    若林さん
    「ブリキの太鼓」をご存知だったのですね。なら、あの どんよりした何とも言えない世界にルイス・キャロルの世界をトッピングしないと救いようがなくなったのを理解して頂けると思います。かなりサウンドに悩んだのも想像して頂けると思うのです。プログレって「融合」という意味もあります。サウンドだけ独特のプログレサウンドを作るなら、もはや誰でも出来ると思うのです。私は、ずっと独自にプログレに対して自分の姿勢を挑んできたつもりです。もっと明るい軽い感じの疲れない方向も試します。
    サイト管理者 Nachiko   2013-12-25 06:22:11
    guest
    タンバリンは私の好きな曲です。3歳で自分の成長を止めてしまいたかったオスカル、彼の気持ちは理解できます。できれば私もそうしたかった。
    歌を聴いていて「スカートの中は・・・」何故だろう?と思っていましたよ。私はアリスよりオスカルに同調しちゃう。大人達の悪い所を知りたくなかったのだろうな!自分もそうはなりたくなかったのだろうな!って。いい歳した私の脳みそも低年齢で止まっている。このままで良いと思っています。
    投稿者 瑞恵   2013-12-25 01:36:20
    guest
    何と!!初の「朝Nachiko」(私の造語です)だと思っていたのに、この曲こそ「ナチコ・マジック」だったのですね!自分は「アリス」も「ブリキ」(映画)も大好きなんですけど、不覚でした(苦笑)「スカート」がキーワードなのだろうとは思ってはいたのですが、う~ん、完敗です(意味不明)
    投稿者 わかばやし   2013-12-24 20:40:55
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